「2025年の金価格はどう動く?注目すべき経済要因と今後の見通し」
- HISASHI KOMIYA
- 4月8日
- 読了時間: 3分
更新日:5月24日
金価格はここ数年、世界的な注目を集めながら推移してきました。インフレ、地政学リスク、金融政策など複数の要因が絡み合い、金相場は上下動を繰り返しています。
2025年の現在、金市場を取り巻く状況はどうなっているのか。そして今後、価格はどう動いていくと考えられているのか。金市場の背景にあるファンダメンタルズ(経済的要因)を読み解きながら、今後の展望を整理していきます。
■ 現在の金価格の推移
2024年から2025年にかけて、金価格は円建て・ドル建てともに過去最高水準を更新しています。要因のひとつは、主要国の利上げ停止・利下げの見通しによる金利低下期待です。
また、ドルの相対的な弱さや、各国の外貨準備での金保有比率の増加も、金需要の高まりを支える一因となっています。
■ 金価格に影響を与える主な要因
1. 米国の金利政策(FRB)
金は利息を生まない資産であるため、金利が高いと相対的に魅力が下がります。
逆に、金利が下がる・利下げが行われると、金価格は上昇しやすくなります。
2025年はFRBの利下げ再開の有無が注目ポイントです。
2. インフレ率の動向
インフレ(物価上昇)が続くと、通貨の価値が下がり、金が“価値保存手段”として再評価されます。
エネルギー価格や食品価格が高止まりしている状況が続けば、金価格を押し上げる可能性があります。
3. 地政学リスクと金融不安
紛争や金融システムへの不安が高まると、「安全資産」である金へ資金が流れる傾向があります。直近では、中東情勢・ウクライナ情勢などが、市場全体のセンチメントに影響しています。
■ 専門家による今後の予測
複数の調査機関・金融アナリストの予測では、
2025年内の金価格は高値圏で推移
ドル建て金価格は2,200ドル〜2,400ドルの範囲での変動を想定
円安継続の影響で、円建て金価格は過去最高水準を維持する可能性
との見通しが多く見られます。ただし、為替動向や中央銀行の政策転換により、短期的には大きく変動する余地もあるため、一方向の見立てに偏りすぎない視点が重要です。
■ 長期目線での注目ポイント
・ 各国中央銀行による金の購入増加→ 特に中国・ロシアなどが外貨分散の一環として金を買い増し中。
デジタル通貨の台頭と法定通貨への不信感→ これも金の“実物資産”としての需要に影響。
鉱山供給の限界とコスト上昇→ 採掘コストが上がることで、供給面から価格が底堅くなる可能
■ まとめ
2025年の金市場は、短期的な値動き以上に、**「中長期での安定資産としての評価」**がさらに高まりつつあります。金価格の予測には不確実性が伴いますが、資産の一部として金を保有する意義は、むしろ強まっているとも言えるでしょう。
不安定な経済環境の中でも、軸を持った運用の一助として、金市場の動向を定期的にチェックする習慣が大切です。